シコクフクジュソウ
福寿草。福を寿(言祝ぐ)。おめでたい名前の筆頭でしょうか。気温がまだ低い時期に咲くため、太陽の動きにあわせて花が向きを変えて、いつも日が当たるようにして、花の温度を高く保って虫たちを呼び込みます。 この花の一番の良縁は雪。雪の中にそっと黄色い顔をのぞかせているのが、もうすぐそこまで来ている春を感じさせてくれます。 花はパラボナアンテナ。 気温が低く、まだ花粉を運んでくれる昆虫が少ないこの季節に虫たちを集めるため、この花はその形と色で太陽の光を集めます。 ある本によると花のなかの温度は周囲と比べて約6℃も高いそうです。そうして虫たちに心地よい環境を提供して訪問してくれるのを待つそうです。そういえば雨の日や朝早くまだ林の中に光が射し込まないときはしっかりと閉じています。決して無駄なことはしない自然の知恵にはびっくりさせられます。 タンポポ咲きの下段の花は人家の庭に植えられていたもの。家人の話によると以前に地元の山から採ってきて植えたものという。 花が1個で葉が対生するキタミフクジュソウ、萼片が花弁より短いミチノクフクジュソウ、萼片と花弁の長さがほぼ同じで花托に毛のあるフクジュソウと毛のないシコクフクジュソウの4種に区別されている(長澤淳一=瀬戸口浩彰・日本の絶滅危惧植物図鑑123頁)。 四国にあるフクジュソウは、すべてシコクフクジュソウと言われています。九州のほか、近畿地方でも確認されているようです。 キンポウゲ科フクジュソウ属。 撮影日2月3日 |
オレンジ色のフクジュソウ | |
オレンジ色のシコクフクジュソウ。 ここでは黄色の花に混じって極わずかですが、オレンジ色の花が咲きます。最下段の画像では、通常の花色とオレンジ色のシコクフクジュソウが並んで咲いていて色の違いがよく分かります。 撮影日:2017年3月18日 最下段のみ2009年3月15日 |
絶滅危惧U類 | |
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