コ島県内で見られるホトトギスの仲間
ホトトギス・タマガワホトトギス・チャボホトトギス
セトウチホトトギス・ヤマジノホトトギス・ヤマホトトギス
ホトトギス |
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花被片の基部は丸く膨らみ蜜を溜めている。 | 花柱は3裂し、その先はさらに2裂している。 |
崖から垂れ下がって花をつけています。 | 葉は毛深い茎を抱き、花は葉腋に1〜3個位つける。 |
花被片は斜め上方に伸びる。花糸と花柱にも斑点がある。 | |
花被片は6個で紅紫色の斑点がある。下のほうに黄色の斑紋が見える。 | |
ホトトギス やや湿った崖から垂れ下がって咲いていました。茎はほとんど分枝しない。ヤマジノホトトギスなどに比べ草丈が大きく、たくさんの花をつけた姿は美しい。 ホトトギスについてこんな話があります。その昔、山里で暮らす兄弟がいました。疑り深い兄は弟が自分に隠れてうまいものを食べていると邪推して殺してしまいました。弟のお腹を裂いてみると胃の中には堅い筋や皮ばかりが残っていたという。兄は嘆き悲しむうちに鳥のホトトギスになってしまう。「おとと恋し」と叫び、喉から血を吐いて胸を掻きむしるたびに血に染まった羽根が散ってそれがホトトギスの花になったという。 また、「鳴いて血を吐くホトトギス」という言葉を聞きますが、「杜鵑の吐血」という中国の故事が由来だそうです。ホトトギスの口の中が真っ赤なのはそのせいでしょうか。ちなみにホトトギスを表す文字に「不如帰(帰るに如かず。)」というのがありますが、これもそのような嘆き悲しむストリーからきているのでしょう。 ユリ科ホトトギス属。撮影日:9月20日、26日、29日 |
タマガワホトトギス |
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黄色の花被片には紫褐色の斑点が密集している。3裂した花柱には腺状突起がたくさん見える。 | |
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花被片は平開しない。花柱には斑点がありません。 | 花被片の基部はポチッと膨らんでいる。 |
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崖から斜め横に伸びた茎の葉腋に上向きの花をつけています。 | 花序には毛がびっしりと生えているが、茎は無毛。 |
タマガワホトトギス 山地の湿気たところに生える黄色い花をつけるホトトギスです。この場所も盗掘にあうのか年々数を減らしています。 ユリ科ホトトギス属。絶滅危惧TA類(徳島県レッドデータブック)撮影日:7月16日、25日 |
チャボホトトギス |
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「名は体を表す」の言葉どおり寸詰りの小さな小さな花です。地面すれすれに花をつけています。 | |||||||||||||||||||||||
花被片の基部に縞模様が見える。 | 花柱の裂片には腺状突起が光って見える。 | ||||||||||||||||||||||
チャボホトトギス ホトトギスの名の謂われは、下方の葉の黒い斑紋や花被片の斑点の様子が野鳥のホトトギスの胸の縞模様に似ることからという。 (最下段の野鳥のホトトギスの写真をご覧下さい。) ユリ科ホトトギス属。撮影日:8月29日、9月2日 |
セトウチホトトギス |
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ホトトギスの仲間のなかでも最も美しい花の一つでしょう。 | |
花柱に鮮やかな斑点が見える。花被片の紅紫色と基部の黄色の模様が美しい。 | |
横に伸びた茎の葉腋から花序を伸ばし花をつけている。 | 斑点が多く色の濃いタイプ。 |
セトウチホトトギス 県内の吉野川沿いに所々見られます。人家に近いせいか、年々数を減らしてきています。自然のままにそっとしておけば、来年も再来年も美しい花をつけて楽しませてくれるのに。あぁ! ユリ科ホトトギス属。絶滅危惧U類(徳島県レッドデータブック) 撮影日:10月5日、9日、13日 |
ヤマジノホトトギス |
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徳島県内で最も普通に見られるホトトギスの仲間で、普段何気なく通り過ぎてしまうのですが、 そっと近づいて花を観察すれば、立体的な花が「どうだ!」と言わんばかりにアピールしています。 |
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エイリアン登場!!マルハナバチが蜜を求めてやってきました。 | |
花被片と花糸に斑点がほとんどないタイプです。毎年、この場所で花をつけてくれます。 | |
上の斑点のないタイプと比べると、やはり華やかです。斑点がないとまるで気の抜けたビールのような。 | |
小柄ですが、葉もほとんど傷がないきれいな形をしています。 |
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ヤマジノホトトギス 一見するとヤマホトトギスとよく似ていますが、花被片は水平に開き、花柱にはヤマホトトギスのような斑点がなく、雌しべの先端にだけ斑点があります。 ユリ科ホトトギス属。撮影日:8月1日、15日、9月8日、13日、19日、10月3日 |
ヤマホトトギス |
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県内でこの花が咲くのは、ここ1箇所だけしか知りません。丁寧に探せばたくさんあるのでしょうか。 |
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茎頂に花序を伸ばして花を咲かせます。 |
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花柄に腺毛が密生しているのが見える。 | 葉はヤマジノホトトギスに比べ丸みを帯びる。 |
ヤマホトトギス よく似たヤマジノホトトギスとの違いはヤマジノホトトギスの花被片は水平に開くのに対し、ヤマホトトギスは、大きく反り返る。また、花の付き方も前者は茎頂と葉腋につくのに対し、後者は茎頂に花序を伸ばして数個の花をつけ、またその近くの葉腋にも少し花をつける。 この場所の個体は数年来見続けていますが、数株が固まって生えているのみで余り元気がありません。この花を訪れるたびに「来年こそはもっとたくさんの花をつけてくれよ」と念じつつ撮影しています。 ユリ科ホトトギス属。絶滅危惧TB類(徳島県レッドデータブック) 撮影日:9月9日、11日 |
セトウチホトトギス、ヤマジノホトトギス、ヤマホトトギスの花の比較 |
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セトウチホトトギス |
ヤマジノホトトギス |
ヤマホトトギス |
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花被片は水平に開き、下部に黄色の斑紋がある。また、花柱には斑点がある。 | 花被片は水平に開き、花柱には斑点がない。 | 花被片は強く反り返り、花柱に斑点がある。 | ||
渡り鳥のホトトギス |
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「鳴いて血を吐くホトトギス」 |
ホトトギス こちらは野鳥のホトトギスです。夏鳥として5月頃渡来します。鳴き声を「特許許可局」、「テッペンカケタカ」と聞きなしされています。 みなさまはどのように聞こえますか? 白地に紫の斑点を散りばめた花が、この鳥の胸の横縞模様に似ているため、ホトトギスという名をつけられたという。 野鳥のホトトギスは、自らは子育てを放棄してウグイスなど他の鳥に子育てをさせます。子育てまで他人?にさせるとはどうしようもない究極の怠け者!尤も虐待して子殺しをする親が居る世の中、偉そうには言えませんが。 写真、鳴き声とも剣山。6月3日 |